「総予算3800万円。築30年RC造を1棟丸ごと大改修!極上の『地階ワンルーム』と『賃貸2戸』へ分離させた、職人の知恵とインフラ再生ストーリー」
築約30年のRC造(地下1階〜地上3階)を総予算3800万円で大改修。元作業場だった地階をお施主様の「終の棲家」とし、上層階(2階・3階)を独立した賃貸住宅へと分離する大規模なコンバージョン事例です。
最大の挑戦は、インフラのなかった極寒のコンクリート地階を快適な住空間に変えること。システムフロアーの断熱型システム床や二重サッシを駆使して寒さ・湿気をシャットアウトし、配管設備を1から構築。お施主様の理想である「LD中心の機能的なワンルーム動線」と、アトリエ来客も使えるセミプライベートな書庫・トイレ空間を両立させました。上階の賃貸スペースはコストパフォーマンスを意識した表層&設備交換でバリューアップし、建物全体の資産価値を高めました。
- 時期
- 1月中旬~6月下旬
- 期間
- 約5.5か月
- 内容
- 地下1F~地上3F コンクリート造の戸建て全面外装内装改修工事
- 予算
- 3800万円
「元作業場を『終の棲家』へ、上階を『収益物件』へ。
コンクリート構造特有の寒さ・湿気・インフラ制限を技術力で克服した、用途変更(コンバージョン)リノベーション」

1. はじめに:築30年RC造、地下作業場を「自宅」へ、上階を「収益物件」へ変える壮大な挑戦
今回弊社が手掛けたのは、築年数約30年、地下1階・地上3階建ての重厚なRC(鉄筋コンクリート)造の戸建て注文住宅の大改修です。全体予算3800万円を投じたこのプロジェクトは、単なる内装の綺麗リフォームではなく、建物の役割をガラリと変える「住み分け・分離工事」を伴う大規模な用途変更(コンバージョン)でした。
元々の構成は、地下1階が作業場、1階がギャラリー(アトリエ)、2階と3階が居住スペースとなっていました。これをお施主様のライフステージの変化に合わせ、以下のように再構成する計画が立ち上がりました。
- 地下1階:元作業場の無機質な空間を、お施主様が一人で快適に、かつコンパクトに暮らせる「極上ワンルームの住居スペース」へ一新。
- 1階:ギャラリー(アトリエ)としての機能を残しつつ、地階住居と緩やかに繋がるセミプライベート空間へ。
- 2階・3階:既存の広大な居住スペースを、それぞれ独立した「賃貸住宅(2階:3LDK / 3階:1LDK+畳ルーム)」へと分離させ、将来にわたる収益物件へとバリューアップ。
地階Before➡After


2階Before➡After


3階Before➡After


RC造特有の「頑丈だが、特有の寒さや湿気がある」「壁や床がコンクリートのため、配管や配線の移設が極めて難しい」という高いハードルを、プラスパーホームの設計力と職人技でどのようにクリアしたのか。その詳細な舞台裏を余すことなく解説します。
2. 【地下1階・1階】極寒のコンクリート空間を、高断熱・インフラ完備の贅沢な住宅へ
地階 Before

リフォーム前、地下1階はコンクリートの土間が剥き出しになった作業場でした。窓も限られており、冬場は底冷えが厳しく、インフラ設備も小さなミニキッチンがあるのみ。ここを快適な「住まい」にするため、まずは見えない基礎部分のアップデートから着手しました。
① 「寒さ・湿気」を根本から解決する床下・窓まわりの断熱技術
地階 システム床施工中


土間直接のコンクリート床からの冷気を遮断するため、床下には強力な断熱材を敷き込みました。その上で、戸建て住宅用の置床システムである万協フロアーの「充填断熱タイプ」システムユカを採用。コンクリートとの間に空気層と断熱層を作ることで、冬場の底冷えを劇的に解消しています。天井や壁にもクロスが貼れるよう、一から丁寧な下地処理を行いました。
地階 カバー工法サッシ施工中



After 地階 寝室 二重サッシ+吸気口設置

また、窓まわりの断熱も徹底しました。キッチン裏の食器棚設置スペースでは、家具の高さに合わせて窓サイズを変更する必要があったため、既存の枠を活かす「カバー工法(YKK AP)」を用いて窓高さを腰高へと変更。
一方、サイズを変更しない既存サッシ部分には、内側にもう一枚サッシを重ねる「二重サッシ」を施工しました。
コンクリート直付けのサッシは窓枠の奥行き(見込み)がほとんどないため、あえて「ふかし枠」を取り付けることで二重サッシの設置スペースを作り出しています。
さらに、窓の少ない地下室の空気環境を健やかに保つため、給気口を新たに新設。計算された空気の循環計画によって、地下特有の「こもり気味な湿気」をシャットアウトします。
② 1から整備した生活インフラと、無駄のない「LDK中心の生活動線」
地階 配管施工中


住宅としての機能を持たせるため、給排水管やガス、電気などのインフラを床下・天井裏で完全に1から再構築しました。 お施主様の一人暮らしというライフスタイルに合わせ、間取りは「LDKを中心にすべてが繋がる、無駄のないワンルーム動線」を提案。玄関ドア(YKK APの3枚連動引き戸。有効開口が2/3取れて出入りがスムーズ、2箇所施錠で防犯性も抜群)を開けると、ダイレクトに洗練されたLDKへとアクセスできます。
玄関まわりにもこだわりを詰め込みました。
- 収納:ミラタップゲタボックスプラス(トールフロートタイプ・ミラー付き)で浮遊感を持たせ、奥行きの狭い玄関を広く見せる工夫を。
- 框:モリタアルミの薄型アルミ製玄関框をセレクト。RC造のシックな空間に美しくマッチします。
- タイル:平田タイル「PietraAntica(ピエトラアンティカ)」の600角タイルを敷き詰め、石目調の圧倒的な高級感を演出。
- 小物:壁面にはumbra(アンブラ)の5連フックを設置し、帽子やコートをスマートに掛けられるようにしました。
After 地階 玄関
LDKに入ると、リビングドアにはPanasonic ベリテス「KD型(ダークチェリー)」がお出迎え。LDKを中心に、直接洗面⇔シャワーユニットへ、またLDから寝室、LDからトイレへと、廊下を挟まずダイレクトに各部屋へアクセスできる、無駄を極限まで削ぎ落とした間取りです。LDKと脱衣洗面室のクロス(壁紙)も一新し、清潔感を引き立てました。
After 地階 キッチン


After 地階 洗面化粧台・シャワーユニット


- コンパクトかつシックなキッチンエリア
システムキッチンにはLIXIL「シエラS(W2100)」を採用。色味をグロスダークウッドに統一し、シックでモダンな印象に仕上げました。背面には窓に干渉しないローボード(食器棚)を置き、対面側には造作カウンターを設置して、コンパクトながらお店のようなOPENスタイルを楽しめます。 - スマートな水回りへアクセス
LDKから直接アクセスできる洗面スペースにはLIXIL「クレヴイD500/W1000)」の三面鏡を設置。浴室の代わりにスマートなLIXIL「シャワーユニット NS(0812サイズ)」を採用することで、省スペースと機能性を両立させました。
③ アトリエ来客と共有する「セミプライベート空間」と、本を守る圧巻の書庫
After 地階 LDKから各部屋へ

After 地階 トイレ


地階の居住エリアと1階のアトリエを繋ぐ廊下には、あえて「鍵」付きの建具を設置しました。これは、トイレを「お施主様のプライベート用」と「1階アトリエの来客用」という、双方から使えるセミプライベートな空間として設計したためです。 トイレには、タンクレスのLIXIL「サティスSタイプ」に加え、店舗のようにお手洗いがスムーズに済むLIXILのトラップ脱着式小型ストール小便器を並べて設置。床は汚れに強く意措性の高いサンゲツのテラコッタ柄クッションフロアで仕上げました。
Before➡After 地階 フリースペース



その奥のオープンスペースは、コンクリート剥き出しの質感をあえてベースとして活かしつつ、部分的なアクセントクロスを合わせてモダンなギャラリー風に。経年で入っていたコンクリート壁面のクラック(ひび割れ)もしっかりと補修を入れています。
Before➡After 地階 書庫



そして、このエリアの最奥に賃座するのが、壁一面に広がる南海プライウッド(ブラックウォールナット)の圧巻の書庫ブースです。大切な蔵書が湿気で傷まないよう、24時間換気システムを常時運転させ、常に最適な湿度を保つ空気の通り道を確保しました。
Before➡After 地階門扉


また、今後の生活を考慮し、地階から1階への階段には電動昇降機を設置。地下へのアプローチ部には、三協アルミの温かみのある木製デザイン門扉「フレイナ」を構え、防犯性と格式高さを演出しています。
3. 【3階:賃貸住居】1LDK+畳ルーム。制限を逆手に取った開放的リフォーム

3階と2階は、将来的に安定した家賃収入を得るための「賃貸住宅」へのバリューアップです。3階(1LDK+畳ルーム)は、既存の骨組みや良質な間取りを活かしつつ、入居者に選ばれるための設備交換と表層リフォームをコストパフォーマンス高く行いました。
① 天井の低さを「引き算」で解消した、賢いⅡ型キッチンへの変更
3階 キッチン Before➡After



元々は全長2100mmの一般的な壁付けキッチンでしたが、カップボードを含めてすべて撤去し、作業スペースとシンク側を分けた「Ⅱ型キッチン」へと大胆にレイアウトを変更しました。
ここで課題となったのが「天井の低さ」です。吊り戸棚をそのまま付けると圧迫感があり、入居者にとっても使いにくいデッドスペースになってしまうため、あえて吊り戸棚を完全になくしました。その代わりに、見せる収納としてお洒落な「OPEN可動棚板」を設置。レンジフードもすっきりとした浅型を採用することで、視界が抜け、見違えるほど開放的なキッチンエリアになりました。
3階 LDK納戸撤去 Before➡After


また、キッチン脇にあった使いにくかった納戸は壁を解体してLDKの一部に取り込み、部屋全体の広さを拡張。さらに奥の納戸は、表層を綺麗に整えて大容量の物入れとして再生させました。
② 表層の一新による、清潔感とバリューアップ
3階 畳ルーム Before➡After


畳ルーム・洋室:古い畳を新調し、クロスを全面貼り替えることで、和モダンな落ち着く空間へ。洋室の建具や内装も一式交換し、新築のような清々しさをプラス。
3階 脱衣洗面・UB・トイレ Before


3階 脱衣洗面・UB・トイレ After


水回り・1116サイズのユニットバス、90㎝幅の洗面化粧台、洗濯パン、トイレ(床はタイルからお手入れのしやすいクッションフロアへ変更)をすべて新品へ交換。
3階 外回り廊下 玄関ドア After


外回り廊下 雨漏りリスクを未然に防ぎ、建物の寿命を延ばすために、しっかり水を弾く高耐久の防水工事を施しました。
4. 【2階:賃貸住居】3LDK。ファミリー層を狙う広々カウンターと建具のトータルコーディネート

2階(3LDK)も、3階同様に賃貸仕様としてのコストパフォーマンスを意識しながらも、ファミリー層に「ここに住みたい」と思わせるデザイン性の高い工夫を随所に散りばめました。
① 3mのキッチンをあえてサイズダウン。「配膳カウンター」への鮮やかな転換
2階 キッチン Before➡After


元々は全長3mという非常に大きなキッチンが賃座していましたが、賃貸用としてそのまま同じサイズの特注品を入れ替えるのはコストパフォーマンスが良くありません。 そこで、一般的な既製品サイズである2550mmのシステムキッチンを採用。あえて縮小して生まれた「残りの45cmのスペース」に、Panasonicのインテリアカウンターを設置しました。
これにより、ただの調理スペースだった場所が、「出来上がった料理を一時置きできる配膳スペース」や「家電置き場」へと生まれ変わり、使い勝手が劇的に向上しました。また、コンクリート壁面特有の悩みであった背面のカビや湿気は、事前の徹底的なクリーニングと防カビ処理を施し、入居者が安心して暮らせる環境を整えています。
② 特注建具とトータルコーディネート
2階 玄関廊下➡リビング入口 Before➡After



リビングの入り口ドアは、既存の枠に合わせた特注サイズ(W1300)が必要でした。既製品では対応できないため、信頼できる建具職人へオーダー。他の部屋に採用したPanasonicの既製建具と色味を完全に合わせた特注シートを貼り上げることで、家全体のデザインバランスを完璧に統一しました。
2階 和室 Before➡After


2階 洋室 Before➡After


2階 個室 Before➡After


和室の畳や建具、各洋室のクローゼット回り(折れ戸の新調、内部の枕棚+ハンガーパイプ設置)も一式リフォームし、すっきりとした収納力抜群の住まいへ。床のフローリングも全面貼り替えを行っています。
2階 脱衣洗面室➡ユニットバス Before➡After



脱衣洗面室の洗面台交換・洗濯パン新設、1216サイズのユニットバス新設、トイレ交換など、水回りも妥協なく一新。3階同様、2階のベランダにも水を驚くほど弾く丁寧な防水処理を施しています。
5. 【外構工事】1棟丸ごとの寿命を延ばす、徹底的な防水・メンテナンス
今回の総予算3800万円の中には、今後数十年にわたってこのRCビルを維持するための「外装メンテナンス費用」もしっかりと組み込まれています。 大型の足場を組んで外壁塗装を行い、経年劣化が進んでいたコンクリートのコーキング(目地)回りを全面的に打ち替え。外壁全体の徹底的な漏水チェックを行いました。
外壁 階段廻り After


建物の顔となる屋上全体の防水工事はもちろん、1階から2階、3階へと上がる屋外のコンクリート外階段にも、徹底した防水処理を行っています。
地下 玄関庇 宅配ポスト After


さらに、玄関の軒先にはアルフィン株式会社のアルミ庇「ADS2タイプ(シルバー)」を新設。すっきりとしたシャープな屋根ラインが、RC造のスタイリッシュな外観を引き締めつつ、雨の日の出入りをサポートします。ポストや宅配ボックスも三協アルミの最新モデルへ新調し、賃貸物件としての第一印象(アプローチ)も格段にアップさせました。
6. おわりに:「活かす技術」と「変える提案力」で、建物の資産価値を最大化する
今回の築30年RC造の大改修リノベーションは、プラスパーホームが誇る「見えない部分の確かな技術力」と「ライフステージに合わせた提案力」が凝縮されたプロジェクトとなりました。


「冷たくて暗い地下の作業場」は、床下断熱と万協フロアー、二重サッシ、迅速なインフラ構築によって、誰もが羨むスタイリッシュで快適な「極上ワンルームの住まい」へと生まれ変わりました。
同時に、上層階はコストとデザインのバランスを極限まで追求した「選ばれる賃貸住宅」へと再生。ただの古い建物を、お施主様の快適な暮らしの場であり、同時に安定した未来を生み出す「優良な資産」へとコンバージョンさせることができました。
コンクリート造リフォームならではの制約や、結露・寒さでお悩みの方、また「自宅の一部を収益物件に変えたい」という二世帯・店舗併用住宅のリノベーションをご検討中の方は、ぜひ一度、プラスパーホームへご相談ください。職人の知恵と確かな技術で、あなたの住まいの可能性を最大限に引き出します。