ママも家族も心地よく 清潔でやさしい優しい病室づくり
産婦人科様の院内個室30室を対象に、5クールに分けた段階的な改修工事を行いました。
入院患者様がいらっしゃる環境のため、騒音や粉じん、動線に配慮しながら慎重に施工を進めています。
今回は既存設備を活かした部分リフォームとし、養生を徹底。シャワー室には低位置ボタン式ナースコールを採用し、換気改善のため中間ダクト交換も実施しました。
洗面・トイレは使いやすさを重視し、一部には手すり機能を備えた造作家具を設置。医療施設に適した安全で快適な空間へと改修しました。
- 時期
- 2025年9月~2026年2月上旬
- 期間
- 約四か月
- 内容
- 産婦人科病院 個室 30室 シャワー室・洗面化粧台・トイレ改修工事 一部家具工事等
- 予算
- 約3100万円
今回ご紹介する施工事例は、とある産婦人科様にて実施した院内個室の改修工事です。
入院される方が安心して過ごせる環境づくりと、医療スタッフの皆様が安全かつ円滑に業務を行える空間づくりを目的に、細やかな配慮を重ねながら工事を進めました。
産婦人科様の全30室の個室を対象に、5クールに分けた段階的改修工事を実施


本工事では、院内にある全30室の個室を対象とし、一度にすべてを改修するのではなく、5クールに分けた段階的な施工計画を採用しました。
産婦人科という施設の特性上、常に入院されている方がいらっしゃる状況であり、さらに患者様の入退院によるお部屋の入れ替わりも非常に多い現場でした。そのため、工事による影響を最小限に抑えることが最重要課題となりました。
入院患者様がいる環境下で、騒音・粉じん・解体作業に最大限配慮しながら施工




施工期間中は、院内の動線や診療業務を妨げないよう、作業時間や工程を細かく調整。特に、解体作業時の騒音や振動、粉じんの発生には十分注意を払い、音の出る作業は時間帯を限定して実施しました。また、各工程終了後には必ず清掃を行い、常に清潔な院内環境を保つよう徹底しています。
フルリフォームではなく、既存設備を活かした部分リフォームで負担を最小限に
Before➡After


今回の改修工事は、建物全体を刷新するフルリフォームではなく、既存設備を活かした部分リフォームが中心となりました。
そのため、施工範囲外の家具や設備に傷や汚れが付かないよう、養生作業を非常に丁寧に実施しています。医療施設という高い品質が求められる現場において、細部まで気を配った現場管理を行いました。
シャワー室は低位置ボタン式ナースコールを採用し、安全性を向上
Before➡After


水まわりの改修では、シャワー室・トイレ・洗面スペースを中心にリフォームを実施しています。
シャワー室については、安全性の向上を第一に考えた計画としました。
従来のシャワー室では、ナースコールが天井付近からひもを引いて操作する仕様でしたが、転倒時には操作が難しいという課題がありました。
そこで今回のリフォームでは、倒れた状態でも押せる低い位置にボタン式のナースコールを採用。万が一の際にも迅速にスタッフへ連絡ができる、安心感の高い空間へと改善しています。
シャワーユニットの中間ダクト交換により換気性能を改善


また、シャワーユニット内の換気能力が不足している点も課題のひとつでした。
湿気がこもりやすい環境を改善するため、中間ダクトの交換工事を実施し、換気性能の向上を図っています。これにより、カビや臭気の発生を抑え、より衛生的なシャワー空間を実現しました。
洗面化粧台は奥行きを小さく設計し、室内空間を有効活用
Before➡After


各個室に設置されている洗面スペースのリフォームでは、空間全体の使いやすさ向上をテーマに計画しました。洗面化粧台の奥行きをこれまでより小さくすることで、室内の動線に余裕を持たせ、より快適に使えるレイアウトへと変更しています。
既存のミラーはそのまま活かし、新たにペーパーホルダーを設置し、機能性を向上させました。
床材の生け捕り補修、壁紙の部分貼替で工期短縮とコスト抑制を実現

洗面化粧室は奥行きが変わったことにより、床材の一部補修が必要となったため、既存床を活かした「生け捕り」と呼ばれる補修工事を実施しています。
また、壁紙についても全面張替えではなく、必要な箇所のみの部分貼替とすることで、最小限のリフォームで済むよう配慮しました。これにより、工期の短縮とコストの抑制を実現し、稼働中の医療施設に負担をかけない施工を行っています。
トイレは手すり・タオル掛けの位置を見直し、使いやすさに配慮
Before➡After


トイレについては設備の入れ替えを行い、手すりやタオル掛けの位置・高さなどを細かく検討。実際の使用状況を想定しながら配置を決定し、立ち座りの動作がしやすく、無理な姿勢にならない設計としています。
一部個室に**手すり機能を兼ねた腰高の造作家具(コンセント付)**を設置

さらに、一部のお部屋には、既存の内装と色味を合わせた造作家具の設置を行いました。コンセント付きの仕様とし、利便性を高めています。
腰高の高さで設計されたこの家具は、収納としての役割だけでなく、入院されている方が手をついて歩く際の手すりのような役割も担っています。安全性と機能性を兼ね備えた、医療施設ならではの造作家具となりました。
本工事を通して常に意識していたのは、「工事をしていることを極力感じさせない環境づくり」です。
入院されている方にとって、院内は生活の場であり、心身を休める大切な空間です。
その環境を守りながら改修を進めるため、現場スタッフ間で密に情報共有を行い、柔軟な対応を心がけました。
段階的な施工計画と細やかな配慮により、診療・入院業務への影響を最小限に抑えながら、全30室の改修工事を無事に完了することができました。
今回の産婦人科様での改修工事は、医療施設における部分リフォームの有効性と重要性を改めて実感する施工事例となりました.